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JAKIMとは——世界のハラール認証の基準をつくったマレーシア政府機関
当記事は2026年7月26日に作成されたものです。制度・統計等の最新情報については、各国政府・認証機関の公式情報をあわせてご確認ください。
ハラール認証の世界で、最も広く名前を知られている機関のひとつがJAKIM(Jabatan Kemajuan Islam Malaysia/マレーシア・イスラム開発局)です。
マレーシア首相府直轄の政府機関であり、同国のイスラム行政全般を担うなかで、ハラール認証を国家制度として運営しています。
「ハラール認証といえばまずJAKIM」と言われることが多いのは、単にマレーシアの機関だからではありません。
ハラールを国家規格として体系化し、政府が認証を運営するというモデルを世界に先駆けて確立したのがマレーシアであり、その中核を担ってきたのがJAKIMだからです。
機関概要
名称 | マレーシア・イスラム開発局(Jabatan Kemajuan Islam Malaysia:JAKIM) |
設置 | 1997年(前身組織の機能を引き継ぎ改組) |
位置づけ | 首相府直轄の政府機関 |
所在地 | プトラジャヤ(マレーシア行政新都心) |
ハラール関連の役割 | 国内ハラール認証の運営、規格整備への関与、海外認証機関の承認 |
基準規格 | MS 1500(マレーシア国家規格)ほか |
歩み——1974年、世界に先駆けた国家関与
マレーシアにおける政府のハラール認証への関与は1974年に始まったとされ、当時の首相府イスラム部門の調査センターが、ハラールであることを示す証明の発行を開始しました。
その後の制度整備を経て、1997年に現在のJAKIMが設置され、イスラム行政とハラール認証の中核機関となりました。

現在の認証は、マレーシア国家規格MS 1500(食品の生産・調製・取扱い・保管に関するハラール要求事項)などを基準として運用されています。
宗教上の要求事項だけでなく、衛生・安全・トレーサビリティといった品質管理の要素を一体で審査する構成になっており、この「宗教×品質規格」の統合が、ハラール認証がISOやHACCPと並ぶ国際基準のひとつと位置づけられる素地になったと言われています。
海外認証機関の「承認」制度——JAKIMの国際的影響力
JAKIMの影響力を最もよく表しているのが、海外認証機関の承認(recognition)制度です。
マレーシアに輸入されるハラール製品は、JAKIM自身か、JAKIMが承認した海外の認証機関による認証を受けている必要があります。
特に輸入食肉については、JAKIMまたはJAKIM承認機関の認証を受けた施設で処理されたものであることが求められます(ジェトロ調査・2024年)。
この承認を受けた海外認証機関は、2024年10月時点で49カ国・88機関と発表されています(マレーシア政府発表)。
承認は覚書(MoU)ではなく承認書(letter of recognition)の交付という形式で行われ、JAKIMによる審査・監督のもとで維持されます。
つまりJAKIMの承認リストに載ることは、その機関の認証がマレーシア市場で通用することを意味し、世界の認証機関にとって重要な信頼の指標となっています。
日本企業にとってのJAKIM——「マレーシアに売るなら」の事実上の入口
日本からマレーシアへの輸出を考える企業にとって、JAKIMの制度は避けて通れません。
ポイントは3つです。
ポイント | 内容 |
|---|---|
輸入食肉は認証必須 | JAKIMまたはJAKIM承認機関の認証を受けた施設での処理が要求される |
その他の食品も実質重要 | ムスリムが多数派の市場では、ハラール認証の有無が小売・流通での取扱いに影響する |
日本国内で取得可能 | JAKIM承認を受けた日本国内の認証機関を通じて、日本にいながら認証を取得できる |
MPJAはマレーシアJAKIMの推薦を受けた認証機関です。
日本の製造現場を理解した審査で、マレーシア市場を見据えたハラール認証の取得をサポートしています。
出典:
- マレーシア・イスラム開発局(JAKIM)公表資料・承認海外認証機関リスト(2025年2月版)
- マレーシア政府発表(2024年10月・国営ベルナマ通信報道):承認海外認証機関 49カ国・88機関
- 日本貿易振興機構(ジェトロ)「ASEAN主要国におけるハラール認証制度比較調査」(2024年3月)
- マレーシア国家規格 MS 1500
監修:MPJA/Akmal Bin Abu Hassan