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マレーシア概況——ムスリムが人口の6割を占める、ハラール先進国
当記事は2026年7月25日に作成されたものです。制度・統計等の最新情報については、各国政府・認証機関の公式情報をあわせてご確認ください。
東南アジアの中心に位置するマレーシアは、人口約3,350万人(2023年・マレーシア統計局)の連邦立憲君主制国家です。
マレー系を中心とするブミプトラ、中華系、インド系などが暮らす多民族国家であり、連邦憲法はイスラム教を連邦の宗教と定めています。人口の6割強をムスリムが占める一方で、多様な宗教・文化が共存していることが、この国の大きな特徴です。
日本企業にとってマレーシアは、ハラール対応の「入口」としてしばしば最初に名前が挙がる国です。
その理由は、政府主導で整備された世界有数のハラール制度と、東南アジアの中でも高い購買力を持つムスリム市場にあります。
基礎データ
正式名称 | マレーシア(Malaysia) |
首都 | クアラルンプール(行政新都心はプトラジャヤ) |
人口 | 約3,350万人(2023年・マレーシア統計局) |
面積 | 約33万km²(日本の約0.9倍) |
ムスリム人口 | 総人口の約63.5%・約2,100万人(2020年国勢調査) |
公用語 | マレー語(英語が広く通用) |
政体 | 連邦立憲君主制(イスラム教を連邦の宗教と規定) |
主要産業 | 電子・電機(半導体)、パーム油、石油・天然ガス、観光 |
宗教構成——「ムスリム多数派」と「多様性」の両立
2020年の国勢調査によると、マレーシアの宗教構成はイスラム教が63.5%と多数派を占め、仏教18.7%、キリスト教9.1%、ヒンドゥー教6.1%と続きます。

この構成は、ハラールビジネスの観点から2つの重要な示唆を持ちます。
第一に、人口の6割強・約2,100万人という厚いムスリム消費者層が存在すること。
第二に、非ムスリムも一定数暮らす社会であるがゆえに、「何がハラールか」を明確に示す制度が社会インフラとして発達したことです。
マレーシアでハラール認証制度が世界に先駆けて体系化された背景には、この人口構成があると言われています。
経済とハラール市場——輸出の4.3%を占める国家戦略産業
マレーシア経済は電子・電機産業を中心とする輸出型経済です。中央銀行は2025年の実質GDP成長率を4.5〜5.5%と予測しており(マレーシア中央銀行)、近年は国家半導体戦略(NSS)のもとで高付加価値産業の誘致を加速させています。
その中でハラール産業は、国家戦略として明確に位置づけられています。
ハラール産業開発公社(HDC)によると、マレーシアのハラール輸出額は2025年に685億2,000万リンギに達し、前年比10.9%増、国の総輸出額の4.3%を占めました。
国内のハラール認証取得企業は約1万社にのぼると言われており、食品・飲料に加えて、化粧品や医薬品などの非食品分野の伸びも指摘されています。
輸出入の制度面では、輸入食肉について、JAKIM(マレーシア・イスラム開発局)またはJAKIMが承認した海外認証機関の認証を受けた施設で処理された肉であることが求められます(ジェトロ調査・2024年)。
つまり日本からマレーシアへ食肉・畜産関連の輸出を目指す場合、JAKIM承認機関による認証の取得が事実上の前提条件となります。
マレーシアの認証機関と制度の詳細は、別記事「JAKIMとは」で解説しています。
日本との関係——ルックイースト政策から続く親日国
マレーシアは1982年以来、日本の労働倫理や経営に学ぶ「ルックイースト政策」を掲げてきたことで知られ、日本との経済・人材交流の歴史が深い国です。日本食や日本文化への関心も高く、都市部では日系の飲食・小売が広く受け入れられています。
訪日旅行の面でも、マレーシアは東南アジア有数の送客国です。
日本政府観光局(JNTO)の統計によると、日本へのマレーシア人旅行者数はこの10年で約2.1倍に増加し、2025年には63万人を超えて過去最高を更新しました。

ムスリムが多数を占める国からの旅行者がこれだけ増えているという事実は、日本国内の飲食・宿泊・小売にとって、ハラール対応・ムスリムフレンドリー対応が「特別な配慮」ではなく「市場対応」であることを意味します。
まとめ——マレーシアから始める理由
制度が体系化されており、市場に厚みがあり、日本との関係も深い。
マレーシアは、日本企業がハラール対応を検討する際の出発点として、最も条件の揃った国のひとつです。
MPJAはマレーシアJAKIMの推薦を受けた認証機関として、マレーシア市場を見据えた認証取得をサポートしています。
出典:
- マレーシア統計局(DOSM)人口推計(2023年)・2020年人口・住宅センサス
- ハラール産業開発公社(HDC)ハラール輸出統計(2025年)
- マレーシア中央銀行(BNM)経済見通し(2025年)
- 日本貿易振興機構(ジェトロ)「ASEAN主要国におけるハラール認証制度比較調査」(2024年3月)
- 日本政府観光局(JNTO)「国籍/月別 訪日外客数」
監修:MPJA/Akmal Bin Abu Hassan